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横井先生の記事

座右の書③

「六法全書」

 

法律家にとって、最も近くに置くべき座右の書に違いありません。

司法試験の勉強中、家族法の泰斗である恩師が、「法律家になるなら条文を大切にしなさい」と語っていたのを思い出します。

まず、条文を読んで考え、その後、教科書や判例を読んで考え、そしてまた条文を読んで考える。これこそが法律解釈力をつけるための王道だというのです。

含蓄のある大学者の言葉です。

シリーズの③で取り上げることの不覚を恥じ入る次第です。

でもご心配なく。常にデスクに鎮座していますので。

 

法律の条文は、味気も素っ気もないものですが、条文を的確に解釈し、事実にあてはめて魂を吹き込むのが法律家の仕事です。

 

たいていは法規の文章の意味をその言葉の使用法や文法の規則に従って解釈すればよいのですが、不都合が生じる場合には、法規自体の目的や趣旨、社会の要請などを考慮しつつ、法規の意味内容を目的論的に解釈することが必要になる場合もあります。

また、社会の実態に沿うように判例によって法の欠缺(不備ないし不存在)を埋め、法を形成することもあります。

 

例えば、旧民法709条は、故意または過失により「他人ノ権利」を侵害した者は、それによって生じた損害を賠償する旨定めていました。

それゆえ、大審院は大正3年の判決で、著作権のない浪曲の無断録音レコード販売について、たとえ正義の観念に反していたとしても「権利」の侵害はないと条文の文言通りの判断をしました。

ところが、大審院は、大正14年の判決で、「大学湯」という暖簾の売却について、具体的な権利でなくても「法律上保護セラルル利益」があるとして損害賠償請求を認めるに至ったのです。

この考え方は、その後も脈々と受け継がれて運用され、平成16年の民法改正で、条文上も「他人ノ権利」は、「他人の権利又は法律上保護される利益」と改められました。まさに解釈が法の欠缺を埋め、法を形成した一例です。

 

ところで、法律の条文は味気も素っ気もない、と書きましたが、日本国憲法の前文だけは例外です。

私は、改憲論者ですが、格調高い次の一節がお気に入りです。

「われらは、平和を維持し、専制と隷従、圧迫と偏狭を地上から永遠に除去しようと努めてゐる国際社会において、名誉ある地位を占めたいと思う。」

 

平和を維持し、専制と隷従、圧迫と偏狭を地上から永遠に除去する。

これこそが人類の究極の目標なのだと思います。

(横井盛也)

謹賀新年

旧年中は格別のお引き立てを賜り厚く御礼申し上げます。

 

2012年4月、本ブログの冒頭で

「やりたい仕事は山ほどある。社会正義の実現、不正義からの救済、冤罪事件からの解放、新判例の樹立などなど。大きな目標は、目の前にある1つ1つの事件の適正な処理を通じて達成される。迅速、丁寧、的確な事件解決が図れるよう常に向上心を持ち、腕を磨き続けることが今後の課題」

と書かせていただきました。

向上心を持ち続け、腕を磨き続ける努力だけは継続できたのではないかと自負しています。

 

新年を迎えて、初心を忘れずますます精進し、さらなる飛躍を目指す年にしたいと決意を新たにしています。

本年も相変わらずご愛顧の程お願い申し上げます。

(横井盛也)

昭和の歌謡曲

忘年会の2次会はカラオケが定番です。

当事務所もたった5人ではありますが、焼肉の後、カラオケへと繰り出しました。

 

カラオケが流行りだしたのは、私が高校生の頃。

大学生の頃に大ブレークして街のあちこちにカラオケスナックができ、悪友と夜のネオン街に繰り出しては、自分の美声?に酔いしれたものです。

以後、カラオケとの付き合いがずっと続いており、自称、元祖カラオケ世代といったところです。

 

若い頃は、歌謡曲全盛時代。70年代、80年代のヒット曲ならたいてい歌えます。

最近の曲は、歌詞に大した意味もなく、テンポが速く、コード進行も多様化して実に覚えにくい。で、平成のレパートリーが増えないというのが悩みです。

 

でも、いまだに昭和の歌謡曲は、多くの若者に歌い継がれているのです。

昭和の歌謡曲を支えた作詞家阿久悠は不世出の天才です。

たった7年半で芸能界からきっぱりと姿を消した山口百恵の生き方は立派です。

 

「津軽海峡冬景色」の冒頭などは芸術というほかありません。

「♪上野発の夜行列車おりた時から青森駅は雪の中~」。

たったこれだけの文字の中にさまざまな情景や旅情が凝縮されています。

凡人の私が作詞したら、

<多くの人が行き交う賑やかな東京・上野駅で夜行列車に乗りました。単調なレール音をBGMに眠って長い夜を過ごしました。朝になって青森駅に着いてみたら一面が真っ白で雪が降っていました。人がいなくてさびしい限り…>

となることでしょう。

阿久悠の偉大さがわかります。

 

私の中の山口百恵の肖像は20歳前後のまま美しく凛としています。

「♪あなたに女の子の一番大切なものをあげるわ~」、「♪今の言葉プレイバック、プレイバック」、「♪アン、アン、アン、イミテーション・ゴールド~」。

聴けば、熱狂していた若かりし頃の自分を思い出すのです。

 

AKB48や嵐もいいですが、私はこれからも昭和の歌謡曲を歌い続けることでしょう。

昭和の歌謡曲の輝きは永遠に不滅なのです!

(横井盛也)

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事務所の風景⑦

アップし忘れていた写真が見つかりました。

 

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自民党躍進の立役者は誰?

第46回衆院選は、自民党が294議席を獲得して圧勝、民主党は57議席しか取れずに惨敗という結果になりました。

自公の連立政権で、衆議院の3分の2以上の325議席を占め、法案が参議院で否決されても、衆議院で再可決して成立させることが可能です。

決められない政治から脱却し、実効性ある景気対策が進むことを期待します。

 

自民党の圧勝の理由について、民主党政権に対する失望、国政において実績のない第3極への不安などが語られています。

 

では、自民党の躍進に最も貢献したのは誰でしょうか。

私は、小沢一郎さんに違いないと考えています。

自民党幹事長も務めた大物政治家。

自民党を離党して新生党を設立し、その後合流した新進党をぶっ壊したかと思えば、今度は民主党の内部分裂を引き起こして党内のゴタゴタを演出、挙げ句、国民の声が第一を立ち上げた後に日本未来の党に合流し、多くの同志を今回の選挙で失いました。

結果的に、ことごとく自民党の敵対勢力を崩壊へと導いているのです。

まさに壊し屋の面目躍如といったところです。

 

「グレート・リセット」の見本を示してくれているのかもしれません。

今回の選挙で、「一度ぶっ壊して、新たに創り直す」などというフレーズを使う政党がありましたが、意図とは反対の結果を生じさせかねない危険な発想だと思います。

 

政治家の評価は歴史が決めることなのでしょうが、小沢一郎さんが、この時代においてひときわ存在感のある大物政治家であったと評価されることだけは間違いないと思います。

(横井盛也)

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