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「18782(嫌な奴)」+「18782(嫌な奴)」=「37564(皆殺し)」の波紋――過剰反応では?

小学4年生の算数で、「嫌な奴(18782)と嫌な奴(18782)を足すと皆殺し(37564)になる」との語呂合わせを使って電卓の使い方を教えた女性教諭が保護者の通報で問題となり、市教委の調査を受けた上、保護者説明会を開いて謝罪する、というニュースがネット等でちょっとした話題になっています。
「18782」で検索すると様々な記事やブログがヒットします。

 

発端となった新聞記事がこちら、
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20151119-00005278-kana-l14
http://www.sankei.com/life/news/151120/lif1511200019-n1.html

 

記事によると、ある保護者は「嫌なやつは殺してしまえとも取れる内容で、昨今のいじめ問題にも反する授業だ」と憤り、市教委は「命の大切さを伝える教育に取り組む中で、不適切な指導方法」としているとか。
女性教諭は「数字に興味を持ってもらうため扱ったが反省している」と話しているようです。

 

家で「皆殺し」、「皆殺し」とはしゃいでいるのを聞いた保護者が県教委に通報したのが発覚のきっかけとのことです。
褒められた話ではありませんが、目くじらを立てて問題にするようなものなのでしょうか。
この語呂合わせでいじめが起こるとは思えませんし、命の大切さを否定する弊害が生じるとも思えないのです。
この教諭が日頃から問題発言を繰り返していたというなら話は別ですし、もっといい語呂合わせがあればよかったとは思いますが、子どもが「おっ、面白い」と興味を持ち、家に帰っても無邪気に「皆殺し~」とはしゃぐほど電卓に興味を持ったのであれば、この授業、大いに教育効果があったのではないでしょうか。

 

それより、保護者が県教委にクレームをつけ、県教委から連絡を受けた市教委が教諭の調査を行い、学校が保護者説明会まで開いて謝罪することの弊害の方がはるかに大きいと思います。
「ある一人の保護者の理不尽なクレームに県教委と市教委が怖気づき僕たちの大好きな先生が保護者の前で謝罪させられた」と感じる子がいたとしたら、それこそ昨今のいじめ問題に反する教育効果しか生まないのではないでしょうか。

 

世にはびこるモンスター・クレーマー(=ターゲットを見つけるや相手の人権などお構いなしに屈服させるまで攻撃を続ける。正論らしい論理を振りかざし、自分は正義と確信しているので扱いに困る場合が多い)。
これを根絶するとともに子どもたちをその予備軍にしないためのバランスの取れた人権教育が望まれます。
(横井盛也)

 

PS
理系じゃなくても知りたくなる!!“数学・数字に関するトリビア”
http://matome.naver.jp/odai/2133531406924321201
↑↑こちらもどうぞ。↑↑

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TBS日曜劇場「下町ロケット」(全10話)

昨年秋から年末にかけて高視聴率を叩きだしたTBSの連続ドラマ。
言わずと知れた池井戸潤原作の巨大エンターテイメントです。
深く感動したことは言うまでもありません。
ドラマ評はネットを繰ればいくらでも出てきますので、そちらに任せます。

 

私が特段に感じ入ったのは、アジア医科大学心臓外科部長・貴船恒広を演じる世良公則と帝国重工宇宙航空部長・財前道生を演じる吉川晃司の2人が醸し出す得も言えぬ貫禄です。

 

世良公則といえば、日本においてロックを初めてメジャーに押し上げた「世良公則&ツイスト」(改名して「ツイスト」、その後解散)のリードギター兼リードボーカル。
昭和52年、スターの登竜門として多くのミュージシャンや名曲を生み出していたヤマハポピュラーソングコンテスト(-我々の世代で「ポプコン」を知らぬ者はいない。中島みゆきやチャゲ&飛鳥もポプコン出身-)で「あんたのバラード」がグランプリを獲得するや「宿無し」、「銃爪 (ひきがね)」、「燃えろいい女」などヒット曲を連発し、大ブレークします。
スタンドマイクを自在に振り回し、激しいリズムとワイルドなメロディーを切り裂く重量感のある野太いハスキーボイス。
「おいらは宿無し、お前~には♪」、
「今夜こそ~お前を落として見せ~る♪」、
「眩しすぎる~お前との出会い♪」
当時中学生で自称「数年後のミュージシャン」の私が9歳年上の世良にヒリヒリしなかったはずはありません。

 

吉川晃司といえば、昭和59年のデビュー曲「モニカ」が強烈でした。
今風に言えば、超々イケメン。若い女性ファンを虜にした二枚目中の二枚目。
当時風采の上がらない疲れた浪人生だった私が1歳年下の彼に嫉妬心を抱かなかったなんてことはあり得ません。
ちょうどこのころ、中学時代から続けてきた芸能オタクを卒業しているので、その後の活躍については全く知りません。

 

私の中の世良公則は中学時代のカッコいい兄ちゃん、吉川晃司は浪人時代の二枚目アイドルのままだったのです。
下町ロケットを見るまでは-。

 

世良公則は、出世のためなら手段を選ばない老練な大学教授を見事に演じきっています。
部下を叱りつける場面では凄みを感じますし、切り捨てる場面では近寄りがたさを見せつけます。
絶対に上司にしたくない怖さが滲み出ています。

 

吉川晃司は、大企業の部長が板についていました。
常に冷静沈着。的確な判断力と確固とした信念を持ち、内に秘めた情熱で難局を打開する理想の幹部です。
部下に責任を押し付けようとする主任に対して、「これがわが帝国重工の技術か…恥を知れ」と叱責する場面でも爽やかさは失っていませんし、佃の夢に共感し「全責任は私が取る」と勇気ある決断をする場面では、持前の二枚目が感動を倍増させるのです。

 

カッコいい兄ちゃん、二枚目アイドルも今や大学教授と大企業幹部。
時代の流れを感じます。
果たして、ほぼ同世代の私は?
年齢相応の貫禄を備えるべくまだまだ努力が必要。
今年最大の目標です。
(横井盛也)

 

PS

「下町ロケット」は何年か前にもWOWOWでドラマ化されています。↓ それについての当ブログはこちらです。↓

http://www.law-yokoi.com/blog/?p=646

 

池井戸潤原作の「ルーズヴェルト・ゲーム」についての当ブログはこちらです。

http://www.law-yokoi.com/blog/?p=1156

 

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猪野弁護士の再反論に対する再々反論 - 弁護士会は政治団体であるべきか

猪野亨弁護士(札幌)がブログで「戦争法案に関する横井盛也氏の主張を再度、検証する」
http://inotoru.blog.fc2.com/blog-entry-1463.html
を掲載しておられます。

 

「どうしてこれが会員の思想信条の自由を侵害されるということになるのか、横井盛也氏の見解に疑問」とのブログ
http://inotoru.blog.fc2.com/blog-entry-1420.html
に対して、当ブログが「弁護士会の独善 - 安保関連法案は戦争法案ではなく、戦争をしないための法案です」と反論したところ
http://www.law-yokoi.com/blog/?p=1366
「横井盛也弁護士の反論に対する見解を掲載します」と再反論を受けたことに対して
http://inotoru.blog.fc2.com/blog-entry-1425.html
さらなる反論をしていませんでした。

 

かつての牧歌的なブログに戻ろうかとも考えていたのですが様々なハレーションを巻き起こしたことについての責任もあります。
議論を深めるためにも猪野弁護士の見解に対して、再々反論を試みたいと思います。

 


猪野弁護士は、「安全保障関連法案」を「戦争法案」と表記し、両者が同一であることは周知のことと述べておられますが、同一であることの周知性が問題なのではありません。
「安全保障関連法案」を「戦争法案」と呼称することによって、大衆を焚き付け只々反対運動を盛り上げようとする意図が透けて見えるのです。
だれも戦争をしたいなどと考えてはいません。
安保関連法案は戦争法案ではなく、戦争をしないための法案です。
安保関連法案による抑止力によって戦争や紛争を事前に防止できる可能性が高まるのか、戦争に巻き込まれるリスクが高まるのかは、法案の中身を冷静に議論し、慎重に判断すべき課題です。
安易な印象操作や誤った世論誘導は、戦時中の大本営発表や「鬼畜米英」などといった標語と相通じるものがあるように思います。
さすがに日本弁護士連合会や各単位弁護士会は、「戦争法案」との呼称は用いていないようですが、弁護士会主催の集会の写真を見れば、戦争法案と呼称する横断幕が掲げられています。
http://www.jcp-osaka.jp/osaka_now/2107

 


弁護士会が安全保障関連法案に対する反対運動や政治活動を行っている点について猪野弁護士は総会等による会内での多数決に基づいていると主張されていますが、弁護士会がかかる高度に政治的な問題において大衆運動を行ったり、政治活動をしたりすべきでないというのが私の意見です。
弁護士会は、様々な主義主張を有する弁護士が加入することが予定されている団体であり、思想信条の根幹にかかわるような政治的な問題について多数決を取ること自体なじまないことだと思いますし、その結果によって少数意見を封殺することは許されないことだと思うのです。
反対運動や政治活動をしたければ有志で行えばよいでしょう。

 


「弁護士会は一致」という表現については、弁護士がこぞって法案に反対していると誤解される懸念があり、全会一致でないということも知らせるためにも「弁護士会の多数派」という表現を使うべきです。
弁護士会の中には、法案に賛成する会員も確実に一定数存在しています。
自由民主党の高村正彦副総裁、谷垣禎一幹事長、稲田朋美政調会長、公明党の山口那津男代表らも弁護士会の会員です。

 


立憲主義と一言でいっても、その用語の解釈に幅が出ることは当然です。
解釈改憲を問題にする議論もありますが、占領中に突貫作業で作られ、押し付けられた現行憲法には欠陥が多々あり、これまでも解釈改憲が行われています。
現行憲法33条の文言からは現行犯逮捕と令状逮捕以外を禁止しているとしか読めないにもかかわらず、必要性に迫られて緊急逮捕が認められている例などはその典型だと思います。
http://www.law-yokoi.com/blog/?p=642
是非とも憲法を改正すべきです。

 

さらにこれまで集団的自衛権を違憲としてきたこととの整合性が取れないことを理由に立憲主義に反するという議論もあります。
もっともな意見のように聞こえるのですが、憲法や法律の解釈が世界情勢や社会の実情によって変化することは当然にあり得ることです。
変化に柔軟に対応して現実的に最も妥当な解釈を目指すことは、国家の平和的存続にとって必要不可欠なことです。

 

現行憲法制定時には、そもそも自衛権すら持たないとの解釈をする憲法学者も多かったようですし、自衛隊創設時には自衛隊の存在そのものを違憲という意見を持つ市民も多かったようです。
かかる主張を行う政党や個人も、憲法解釈を柔軟に変化させているのだと思います。

 

日本は、第二次世界大戦の敗戦により対米従属を余儀なくされ、幸いそれによって平和と安全を享受することができました。
繁栄は平和なくしてあり得ませんし、平和は繁栄なくして続きません。
軽武装による軍事費の抑制、経済政策に重点を置く経済成長路線が成功したことによって今の日本があるのです。
かつての冷戦時代には、極東において突出した経済力を持つ西側陣営の防波堤としてアメリカは我が国を最重要パートナーと認めていました。
有事の際には、本気になってアメリカは日本を守ろうとしたのだと思います。

 

しかしなから、世界のパワーバランスは明らかに変化しています。
世界の警察を自認していたアメリカにかつての力はありませんし、軍備を増強させる中国が台頭し、独裁を続ける北朝鮮が瀬戸際外交を繰り広げています。
今のアメリカが、そして将来のアメリカがかつての力を持ち続けることができるのかは極めて疑問です。
国際連合も紛争の解決という観点からいえば、5大国の拒否権も絡んで機能不全に陥っています。
そろそろ日本も自立した独立国家として、国力に見合った防衛力を持ち、国際社会の一員としてお互い対等の立場で守り合い、発言できる普通の国になるべきであるというのが私の持論です。

 

憲法解釈が変化すること自体、おかしなことではありません。
法案の内容や理念は素晴らしいが、立憲主義に反するから反対するという立場からは、次に憲法改正の主張が出てくると思うのですが、憲法9条の死守や護憲を金科玉条とする特定政党と結びついているからなのか、とにかく反対というのみで思考停止に陥っているからなのかわかりませんが、議論が前に進んでいかないことが不思議です。

 


「弁護士会で一致するとすれば、平和をより確実にする法案が立憲主義に反するか否かについてではなく、平和を望むというただ一点にとどまるのだと思います。」との見解に対し、猪野弁護士は、「これだって、平和の意味は何だということになれば、一致はなくなります。」と述べておられます。
平和を、安心安全に暮らせる戦争状態でない世の中という抽象的な意味で捉えるのであれば一致することもあり得ましょうが、具体的に平和の内容を定義しようと思えば一致しないというのは、そのとおりなのでしょう。

 

猪野弁護士や一部左翼政党は、諸国民の公正と信義に信頼すれば平和が手に入るし、世界の平和になど関心を持たなくても自国の平和は守れると考えているようですが、空想的な性善説を前提にした空虚な議論だと思います。
世界の平和を目指さずして一国の平和は保障されないというのが国際社会の現実です。
ポーランドやフランスはナチスドイツにあっという間に占領され、ヨーロッパは焦土と化したのです。
ソ連はポツダム会議後のどさくさに紛れて我が国に対し、一方的に戦線布告し攻撃してきたのです。
人間とは、かくも愚かな弱い生き物なのだということをまず自覚し、戦争を避け、平和を手に入れるための方策を真剣に探らなければならないのだと思います。
チェンバレンの融和政策は完全な失敗であり、連合国が早期にナチスの芽を摘み取っておけば大量の血を流さずに済んだはずです。

 


猪野弁護士は、「権力、特に行政権は濫用されがち、それを抑止するのが司法権ですが、それだけなく、在野法曹としての弁護士会が創設されたこと、それは権力から独立した自治権を付与された弁護士会としての当然の責務として権力との緊張関係があることが想定されているのです。体制側が人権を制約したり憲法違反なことをしようとすれば、それに対する抑止勢力としての弁護士会が意思表明することはまさに在野法曹としての役割」などとされていますが、はたしてそうでしょうか。
確かに上記のように考えれば、与党と対決する政治活動団体になるのは当然ということに結びつきやすいと思うのですが、権力から自治権を付与された弁護士会だから権力と緊張関係にあることが想定されるとか権力に対する抑止勢力として反対の意思表明するのは当然の責務というのは論理の飛躍があるように思えてなりません。

 

弁護士は、その業務を行うにあたって権力から監督を受けず、それに代わって自治的組織である弁護士会から監督を受ける、そうシンプルに考えるべきなのではないでしょうか。
個々の弁護士あるいは有志の弁護士らが権力と緊張関係に立ち、抑止勢力として反対の意思表明や運動等を行うのは自由でありかつ必要とあらば当然に求められる行動であり、それを権力が妨害するような事態を避けるために自治権を付与していると考える方が弁護士法の条文からも素直なように思います。
弁護士法
第31条  弁護士会は、弁護士及び弁護士法人の使命及び職務にかんがみ、その品位を保持し、弁護士及び弁護士法人の事務の改善進歩を図るため、弁護士及び弁護士法人の指導、連絡及び監督に関する事務を行うことを目的とする。
第45条  全国の弁護士会は、日本弁護士連合会を設立しなければならない。
2  日本弁護士連合会は、弁護士及び弁護士法人の使命及び職務にかんがみ、その品位を保持し、弁護士及び弁護士法人の事務の改善進歩を図るため、弁護士、弁護士法人及び弁護士会の指導、連絡及び監督に関する事務を行うことを目的とする。

 

与党に対抗する政治活動を責務と考えて熱心に弁護士活動を行う一部の弁護士のモチベーションは極めて高く、責務とまで考えない弁護士には、その暴走を止めるパワーはありません。
それが自治的組織の宿命なのでしょう。
(横井盛也)

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弁護士会の正常化が必要 - 「打倒!弁護士会」の運動が起こる前に

日弁連会長は、安全保障関連法案が衆議院で可決されたことについて、記者会見で「大変遺憾であり残念だ。国民の多くが『問題がある』と指摘するなか、数の論理で採決したことに非常に強い怒りを覚えた」とか、「さまざまな集会やパレードをして反対の立場を市民に訴えていくほか、与野党を問わず国会議員への要請を強めて廃案を求めていきたい」と述べたようです。

http://www3.nhk.or.jp/news/html/20150724/k10010165351000.html

 

日弁連会長は安保関連法案について、7月9日、国会内における集会で、日本共産党、民主党、維新の党、社民党、生活の党の党首、幹部らを前に「安保法案は採決することなく、いったん廃案にすべきだ」などとあいさつし、請願署名を手渡し、各党首らとともに廃案への決意表明をしています。
http://www.jcp.or.jp/akahata/aik15/2015-07-10/2015071001_01_1.html

 

これらを政治活動と言わずに何を政治活動というのでしょうか。
日弁連会長は、政党の党首にでもなったつもりでいるのでしょうか。
弁護士会を与党と対決する政治活動団体と考えているとしか思えません。

 

私が愛読しているブログ「黒猫のつぶやき」さんが、

<弁護士を「右傾化」させる事情>と題して興味深いことを書いていらっしゃいます。
http://kuronekonotsubuyaki.blog.fc2.com/blog-entry-1118.html
<「バカ左翼」に牛耳られる弁護士会>の小見出し部分。
現実を正しく射抜いており、感心したので引用させていただきます。

 

【日本の司法試験は,個人の思想・信条を問うような試験ではないので,弁護士になった人の政治的思想・信条も,右から左まで様々な人がいます。しかしながら,伝統的に日弁連や東京・大阪などの大規模単位会で執行部を握っていたのは,筋金入りの「左翼」を自称する人たちです。

なぜ弁護士会の執行部が「自称左翼」ばかりで占められるようになったのか? 答えは簡単です。一言で表現すれば,「自称左翼」以外,進んで弁護士会の執行部をやろうとする人がほとんどいなかったからです。

東京大学の教養学部では,日本共産党の青年組織である「日本民主青年同盟」(民青)の同盟員が学生自治会の執行部を握るという時代が長く続きましたが,別に東大教養学部に民青の学生が多かったからではありません。民青と一部の新左翼,ごく一部の物好きな人を除いては,誰も好んで自治会執行部の仕事などやろうとしなかったからです。弁護士会についても,おそらくこれと似たような現象が起きていたのだと思います。】

 

【日弁連や東京・大阪など会員数の多い単位会では,会長・副会長などの要職はやりたい人がやれば済むところなので,会員の総意を離れた極端な「自称左翼」が執行部の大勢を占めるという結果になってしまったのではないかと思われます。】

【彼らはいずれも,弁護士会で行う左翼的活動こそが弁護士の本質であり,依頼者から報酬を受け取って行う業務は,左翼的活動を支えるための経済的基盤に過ぎないという奇妙なイデオロギーを共有しており,「戦争法案反対」といった弁護士会の左翼的活動と,それを支えるための強制加入制度は,彼らにとって「絶対に守らなければならない」ものなのです。】

 

「黒猫のつぶやき」さんの言うとおりだと思います。
『基本的人権を擁護し、社会正義を実現するために誠実に日々の職務を行っている圧倒的多数の普通の弁護士』は、『弁護士会の左翼的活動こそが弁護士の本質と考え、狂信的に弁護士会活動を行うごく一部の弁護士』についていけないのです。
大多数の弁護士は、自分の仕事を犠牲にしてまで弁護士会活動に取り組もうとは考えませんし、ましてや会長や副会長といった多忙な要職に就こうとも考えません。
一部の特定イデオロギーを持った少数の集団に組織が牛耳られるというのは、自治的組織の宿命なのかもしれません。

 

その中で大阪弁護士会に至極まともな副会長がいることを知りました。
http://ameblo.jp/ytsuchitani/entry-12054695118.html
土谷喜輝副会長は、自身のブログで【もちろん、個人的な意見であり、弁護士会の意見ではありません。】と断ったうえで、【個人的には、限定的な集団的自衛権の行使は容認すべきであり、そのことも含めて憲法は改正すべきと考えています。今回の安保法制は、過程に問題はありますが、少なくとも、これらを戦争法案と呼ぶつもりもありません。】などと書いていらっしゃいます。
砂漠の中のオアシスのようです。
【閣議決定による解釈改憲は立憲主義に反するという一点において、弁護士会は一致している】などと寝ぼけたことをいい、浴衣を着て、短冊を吊るした七夕の笹を持って賑やかにパレードすることが使命と考えている弁護士会の暴走を是非止めてもらいたいものです。

 

圧倒的多数の弁護士は、弁護士会の左翼的政治活動に対して無関心であるか、苦々しく感じているのだと思います。
弁護士会が左翼的政治活動団体でなく政治的中立を保っていたとしたら、国民からもっともっと信頼され、それなりの発言力を持ち、法曹人口の問題も何年も前に解決していたのではないかとさえ思うのです。
国民の反発を食らう弁護士会がいくら法曹人口について意見を述べても反発を食らうだけでしょう。
私は、弁護士が右傾化しているとは思いません。
左翼化した弁護士会を正常化することこそが必要です。

 

弁護士会の政治活動に対して、会の内外からの反響は想像以上に大きいものがあります。
http://ceron.jp/url/www.sankei.com/west/news/150726/wst1507260015-n1.html
このまま弁護士会が政治活動を続けるのであれば、『打倒!弁護士会』の運動が起きてこないか心配です。
(横井盛也)

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弁護士会批判の反響は予想以上 - 弁護士会に政治的中立を求める

これまで3回連続で安保関連法案に関連して弁護士会批判を行った当ブログですが、新聞や他のブログに好意的に取り上げられ、応援や激励のメールをいただきました。
反響の大きさは想像以上です。

 

産経新聞。
<「戦争法廃案」デモ、弁護士会の〝政治活動〟に内部から反旗?
「戦争しないための法案」「政治的中立守れ」 訴訟にも発展>

http://www.sankei.com/west/news/150726/wst1507260015-n1.html
http://www.sankei.com/west/news/150726/wst1507260015-n2.html

http://www.sankei.com/west/news/150726/wst1507260015-n3.html

 

<「平和を愛する弁護士」がブログで反論>の小見出しに続いて、
【「自分の意見と異なる運動のために弁護士会費が使われていることが苦痛でなりません」。大阪弁護士会所属の男性弁護士は7月、6月の野外集会を批判する書き込みをインターネットのブログに掲載した。
会員数約4200人と全国4番目の規模を誇る同会の会費は、原則月額約4万円(日弁連会費含む)。男性弁護士は「私は右翼でも国粋主義者でも民族主義者でもありません。平和をこよなく愛する一般的な普通の弁護士です」とし、思想・信条と異なる内容を理由に、集会を「暴挙であり、人権侵害」とも主張した。
ネットを通じて他の弁護士から「戦争法案反対の活動が個々の会員の思想・信条の自由を侵害すると主張されている弁護士」と言及されると、「問題になっているのは戦争法案でなく、戦争をしないための法案です」と反論した。】
と当ブログが紹介されています。
この新聞記事に関するブログも見つけました。
http://minkara.carview.co.jp/userid/1907569/blog/36123961/

 

産経新聞の記事の中には、
【一部弁護士の間では「弁護士がこぞって法案に反対していると誤解される。会内の合意形成は不十分」として、有志で法案に賛成する声明や意見書を出そうとする動きもある。
取り組みを進めている同会所属の徳永信一弁護士は「法律家として安保法案が一点の曇りもなく合憲とはいえなくても、危機を避けるために政治的に解釈を変える必要性があると考える弁護士は多い」と指摘。
「弁護士会が特定の意見表明をすること自体は否定しないが、全会一致でないということを世間に知らせるべきではないか」と話している。】
といった記述もあります。

 

徳永弁護士のコメントは至極もっともなことで全面的に賛同します。
私は、法案に賛成する声明や意見書を出すといった運動に積極的に加わろうとは思いませんが、これからも気が向いた時にブログで自分の意見は述べていきたいと思います。

 

激励のメールもいただきました。
【初めまして。突然のメール、申し訳ありません。
…感銘を受けました。日本弁護士連合会の公式サイトにも集団的自衛権反対がトップページに記載され、仮に、賛成や支持する人達がみたら、日本の弁護士には依頼をしにくい印象を与えかねず、個人的には不満が募っていました。
…Harvard Law Schoolの憲法及び国際法の教授の意見が斬新でした。

http://www.bloombergview.com/articles/2015-07-16/it-s-ok-for-japan-to-fudge-its-constitution
賛成反対の価値観は個々の自由だとしても、やはり組織として片方を一方的に主張されることは強い懸念が有ります(特に弁護士会は民間企業と異なる存在である為)。
…日本にも貴殿のような弁護士が存在することに安堵致しました。ありがとうございます。】

 

鋭い指摘が含まれています。
弁護士会は様々な思想信条を持つ弁護士が加入することが予定されている団体です。
営利の追求を一丸となって行う民間企業とは違うのです。
弁護士会が国家の安全保障のあり方といった高度な政治的問題について特定の主張をすることは厳に慎むべきです。
(横井盛也)

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