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弁護士の日記帳

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横井先生の記事

BS朝日ドラマ「家族法廷」(全10話)

≪史上初!? 裁判官のホームドラマ 法廷では、厳格な法の番人、しかし家では…???≫

ドラマのキャッチコピーです。

 

2011年4月から6月にかけてBS朝日で全国放映されていたようです。

気が向いたときにTSUTAYAに行き、気が向いたDVDを借りるという中で出会った逸品です。

各話とも2回程度は大笑いし、少なくとも1回は涙することができる感動のホームドラマです。

 

裁判官の小野寺達彦(長塚京三)は、家でも書斎にこもって裁判記録を読み込む堅物。

結婚して40年間、家族のことは妻に任せっきりだったのですが、妻の死をきっかけに知らなかった様々な家族の問題に直面します。

3世代7人が同居するにぎやかで一見バラバラな大家族。

裁判長として、もとい家長として、次々とあらわれる難題を解決することができるのでしょうか?

 

快刀乱麻に事件を解決する敏腕裁判長・小野寺達彦が、法廷とは勝手の違う家族の問題に悩み、実直に苦闘する様は、微笑ましく心から応援したくなります。

住み込みの美人家政婦・奥村冴子(ミムラ)のさりげなくもピリッと効いた心配りがストーリーを絶妙に盛り上げています。

非の打ちどころのない脚本とキャスティングだと思います。

 

家族の問題をコミカルに描いたコメディードラマとしても家族愛を描いたヒューマンドラマとしても楽しめる作品です。

(横井盛也)

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所得税や法人税から消費税へ

悪戦苦闘の末、所得税の確定申告書を完成させました。

売上げが伸びてホッと一息ですが、毎年、変動の激しさに一喜一憂です。

弁護士は収入の見通しを立てづらいのです。

次は売上げが上がるのか下がるのか。God knowsです。

 

国の租税収入にも同じような事情があります。

所得税と法人税は国の税収の約半分を占める大切な財源なのですが、景気の動向に左右されやすく歳入は一定しません。

景気が悪化すると企業の儲けが減少し法人税収が減り、企業は支出を抑えるために給与を引き下げ、雇用調整を行うので個人の所得が減り、所得税も減収となるといった悪循環に陥るのです。

 

法人税は、平成20年度以降、リーマンショック後の景気低迷から税収が落ち込んだままです。

国内法人のうち、利益を計上して法人税を納めているのは3割程度で、残りの約7割は欠損法人です。

グローバル化に対応し国際競争力を強化する観点からも思い切って法人税の税率を引き下げるべきです。

国内消費を活性化させるために所得税率も引き下げるべきです。

 

多額の財政赤字を抱え、高齢化に伴う社会保障費の増加が見込まれる中、プライマリーバランスを改善し、景気に左右されない安定した歳入を確保する必要があり、消費税の増税は避けられません。

今後、何らかの増税が必要となりますが、消費税はいたってシンプルかつ公平な税です。

法人税や所得税から消費税へ。直間比率の是正が急務です。

 

日本の消費税率5%は、諸外国(イギリス20%、フランス19.6%、ドイツで19%など欧州はたいていの国が20%程度です。デンマークやスウェーデンなどは25%です。アメリカは州によってバラバラ)と比べてもかなり低く抑えられてきました。

政治家が目先の選挙で有権者の顔色を伺い、正論を主張してこなかったツケが回ってきているのだと思います。

 

消費税増税の議論においては、所得が低いほど消費全体に占める生活必需品の割合が高くなるため消費税の負担が重くなるといった逆進性の問題がよく指摘されますが、食料品等の生活必需品には軽減税率を適用するなどの方法で対処が可能です。

また、所得税の累進課税制度のような所得再分配機能が働かない点については、雇用創出や雇用安定への取り組み等のセーフティーネットの充実で対応すべきです。

 

確かに、消費税増税によって消費が冷え込んだり、市場の流通通貨量が減少したりする懸念はありますが、どんな税を上げても起こりうることですし、法人税や所得税の大幅減税と抱き合わせにすることで解決できるはずです。

 

将来を展望してやるべきことをやる。これが将来に対する責任だと思います。

(横井盛也)

 

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日弁連の弁護士不祥事対策に効果はあるのか?

事務所にFAXされてくる日弁連ニュースのNo.285に「弁護士不祥事対策の取組について」という記事が掲載されています。

それによると、日弁連は弁護士不祥事発生防止策を講じるべく鋭意取り組んでおり、2月15日の理事会では、全単位弁護士会に対して、①会内規定の整備(懲戒請求手続を迅速に行えるようにする規定等)、②制度の運用改善、強化(市民窓口担当者の研修の実施等)、③その他諸施策の検討・取組の着手(研修強化等)を要請したとのこと。

依頼者からの預り金を着服するという悪質な不祥事が続いたことから、非行の早期探知のため、弁護士会が弁護士の預り金口座について調査する権限を強化する方向で話を進めているようです。

 

小手先の改革や研修をすれば問題解決が図れると考えているようですが、問題の根はもっともっと深いところにあるような気がしてなりません。

 

破産法は破産手続開始によって破産者に懲罰的効果を及ぼすことを避けていますが、委任契約のように当事者間の高度の信頼関係を基礎とする契約は、一方が破産手続開始決定を受けることにより終了するものとされています(民法653条2号)。

また、各種の法令において政策的目的から破産者に関して様々な資格制限を設けています。弁護士(弁護士法7条5号)、公認会計士(会計士法4条4号)などの資格です。

弁護士が破産手続開始決定を受け未だ復権(破産法255条以下)していないときは、弁護士の資格を得ることはできませんし、また資格を得ている者は、その資格を失うことになっているのです。

他人の財産の管理に関与する職業として財産管理能力に問題がある者を排除する趣旨の規定とされています。

 

弁護士登録者数は、平成15年には約1万9500人でしたが平成24年11月末には約3万2000人と急激に増加しました。

訴訟等案件や弁護士に対するニーズが増えていないのに弁護士の数だけを無秩序に増やすこと自体が不祥事発生の温床です。

この点を根本的に改善しなければ、何らの解決にもならないように思います。

 

弁護士会は、莫大な借金を抱えて経済的に自立できない破産状態の者でも弁護士登録を認めるといった運用を行っているようです。

民法653条2号や弁護士法7条5号の趣旨を踏まえるのであれば、登録申込者に対して、破産状態にあるのか否か(資産と負債の関係)、報酬が得られる見込みがあるのか否か(事務所や企業等に就職できているのか否か)といった点を審査する必要があるはずです。

酷なことではありますが、民法653条2号や弁護士法7条5号の趣旨に反する場合には、弁護士登録を認めない厳格な運用を行うなど根本的なところから改めていかなければならないように思えるのです。

(横井盛也)

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侍ジャパンより強い阪神タイガース。今年こそ優勝!

WBCの日本代表「侍ジャパン」の強化試合で、阪神が0-1で完封勝ち。

阪神の底力を見せつけてくれた試合でした。

「侍ジャパン」は、メッセンジャー、白仁田、川崎、伊藤和の継投(メッセを除けば無名投手)の前に散発3安打。

これで世界と戦えるのでしょうか。不安です。

超一級の面子を揃えているのですから、WBC本番では奮起し、”世界”を撃破してもらいたいものです。

 

私は阪神ファンですが、まさか日本代表に勝てるとは思っていませんでした。嬉しい誤算です。

今年の阪神には期待が持てます。

 

「侍ジャパン」にもまさる戦力を揃えていることが明らかになった阪神ですが、確実に優勝するためには灼熱の夏場を乗り切るための戦略が必要です。

ドーム球場を本拠地とする巨人や中日に対し、体力消耗や疲労蓄積の点においてハンディを背負っています。

夏場は試合前の練習を禁止し試合開始直前まで冷房の効いた部屋で休息するなどの思い切った手が必要です。

試合前にちょっとやそっと練習したくらいで大した効果はありません。

それより体力温存です。

あと、疲労回復力のある若手をどんどん起用すること。足を絡めた作戦を多用すること。負け試合は捨てて勝てる試合を確実に勝つこと。ホームランを量産すること等々。

 

なにはともあれ、今年こそ阪神優勝! 和田さん頼んまっせ!

(横井盛也)
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明石歩道橋事故 免訴判決について思うこと

兵庫県明石市の歩道橋事故で、業務上過失致死傷罪で強制起訴された明石署元副署長を免訴とした神戸地裁の判決に対し、指定弁護士が控訴したとのことです。

 

刑事訴訟法337条 【免訴の判決】 左の場合には、判決で免訴の判決をしなければならない。①確定判決を経たとき。… ④時効が完成したとき。

この条文に該当する場合には、そもそも起訴されないため、免訴判決なんて滅多にお目にかかれるものではありません。

 

免訴判決に至るような起訴を強制した検察審査会の強制起訴制度そのものに疑問を感じますし、また、控訴審で破棄される明確な見通しもないと思われるのに検察官役の指定弁護士が控訴したことについても疑問を感じます。

が、それにもまして疑問を感じるのが、裁判の経緯についてです。

 

元副署長は、事故から約9年後の平成22年4月に強制起訴され、公判前整理手続に付された後、平成23年1月に初公判が開かれ、19回の公判期日を経て判決に至ったとのこと。公判では16人の証人尋問と被告人質問が行われたと報じられています。

 

免訴判決を下すのに、なぜこれだけの審理が必要だったのでしょうか。

そもそも免訴の趣旨は、刑を科されることがないにもかかわらず起訴された被告人を早期に裁判から解放し救済することにあるはずです。

そうだとすれば免訴事由(時効成立)の存否、つまり明石署元地域官と被告人との間に共同正犯が成立するのか否かについての審理を先行し、その審理が終了した段階で免訴判決が下せたはずです。

 

裁判所は、刑事裁判で責任の所在を明らかにしたいという起訴議決に配慮したのかもしれません。

でも、刑事裁判を被害者遺族の溜飲を下げるための”劇場”にすべきではありません。

事実の究明や責任の所在の明確化は、被告人に対して適正な刑罰を科するという刑事裁判の目的の範囲内で行われるべきです。

 

結局は免訴になったり無罪になったりするのに市民感情によって強制的に起訴され必要以上の審理を受けさせられる――強制起訴制度は、被告人とされる者に対する配慮が抜け落ちているような気がしてなりません。

(横井盛也)

 

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