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プロ野球の飛ぶボール――あえてNPBを弁護する

日本野球機構(NPB)がプロ野球で使う「統一球」を今季から飛びやすい仕様に変えていたことを公表していませんでした。

飛ぶボールへの変更がわかっていれば、ホームランバッターを揃えるなど各チームの編成も変わったはずです。

変更を否定し、メーカーに口止めまでしていながら、コミッショナーが変更自体を知らなかったという点に関しては、弁護のしようがありません。

機構のコンプライアンスやガバナンスには問題があったのでしょう。

事前に公表していれば何の問題もなく、むしろ歓迎されたはずと思われるだけに残念でなりません。

 

でもマスコミは騒ぎ過ぎではないでしょうか。

NHKがニュースウォッチ9のトップで長々と伝えなければならないようなニュースなのでしょうか。

会見で述べた「不祥事とは考えていないので辞任はしない」との文言を殊更に強調し、加藤コミッショナーが大悪人であるかのような印象を与える報道に違和感を覚えたのは私だけではないはずです。

 

そもそも「統一球」は、加藤コミッショナーの肝煎りで一昨年から導入されたものです。

それまでは、球場によって使用するボールが異なっていたのです。

公平性に問題があるといわれながら放置されていた問題を解決したのが加藤コミッショナーなのですから、その功績は極めて大きいといえるでしょう。

今回のNPBの対応が批判されるのであれば、3年前までプロ野球のボールが統一されていなかったことの方がより批判されてよいはずですし、統一されていないことの問題点を指摘してこなかったマスコミも批判されてよいはずです。

 

ところで、飛ばない統一球になってこの2年間、しらけた試合が増えてしまいました。

「0対0」の引き分けとか「1対0」の試合なんて、大半が投手と捕手のキャッチボールに過ぎません。

野球は点の取り合いに醍醐味があり、ボールは飛べば飛ぶほど面白くなるのだと思います。

NPBはファンのことを考え、プロ野球の発展のために反発係数を上げたのでしょう。その動機に不純な点はありません。

 

今回の件の批判はこのくらいにして、今度は事前に公表の上で、反発係数をドーンと上げたガンガンに飛ぶボールに変更するということでいかがでしょうか?

(横井盛也)

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