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司法試験「5年で5回」――甘すぎる座長試案

政府の「法曹養成制度検討会議」の会合で、司法試験の受験回数制限を法科大学院の修了後5年間で3回から5回に緩和する座長試案が示されたとのこと。

法曹養成制度そのものが崩壊しつつある中、小手先の改革で何とかなるとでも考えているのでしょうか。

驚きです。現状に対する認識が甘いというほかありません。

 

受験回数制限を設けることについては、以前にブログで書いたように大賛成です。

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3年間で3回くらいの方がよいと思いますが、5年間で5回に緩和したとしても、それはそれでよいでしょう。

今はそんな議論が吹っ飛んでしまうほどの緊急事態です。

 

法曹を目指す若者が急減し、法科大学院の人気が急落しているのは、弁護士が既に飽和状態で、司法試験に合格しても就職できる保証がなく、安定的な収入が見込めないからです。

旧司法試験は2~3%程度の合格率でしたが、法曹を目指す人は数多くいました。

現行制度の欠陥は、すべて司法試験の合格者数が不適正であることに端を発しているのだと思います。

 

ペーパーテストが得意であれば弁護士の仕事ができるなどというのは幻想に過ぎません。

ボスの下で年がら年中、朝から晩まで仕事を学んで一人前の弁護士になっていくのです。

最低限、法曹資格を得た弁護士志望者がボス弁の下で安定した収入を得ながら修業ができる程度にまで合格者を絞るべきです。

法科大学院へ支出する補助金があるなら、司法修習生への給費制を復活すべきです。

 

政治的責任を負わない有識者会議や諮問会議が国の制度の根幹にかかわる事項について実質的決定権を握っていることに疑問を感じます。

(横井盛也)

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