- 2013-05-15 (水) 16:54
- 横井弁護士
暴力団員が社長を銃撃した事件で、検察が「裁判員に危害が及ぶおそれがある」として、裁判員裁判を行わず、裁判官だけで審理をするように裁判所に請求したとのこと。請求が認められれば、全国で2例目となるそうです。
http://www3.nhk.or.jp/news/html/20130514/k10014564691000.html
裁判員裁判法3条には、裁判員等の「生命、身体若しくは財産に危害が加えられるおそれ又はこれらの者の生活の平穏が著しく侵害されるおそれがあり、そのため裁判員候補者又は裁判員が畏怖し、裁判員候補者の出頭を確保することが困難な状況にあり又は裁判員の職務の遂行ができずそれに代わる裁判員の選任も困難であると認めるとき」は、裁判員裁判の対象から除外することができると規定されています。
裁判員に危害が及ぶおそれがあるというなら、裁判官にも、検察官にも、そして場合によっては弁護人にも危害が及ぶおそれがあるというべきです。
一般市民である裁判員を危険にさらすわけにはいかないが、プロの法曹にとっては、危害が及ぶおそれを職業的リスクとして甘受すべきということなのでしょう。
裁判員裁判法1条には、「国民の中から選任された裁判員が裁判官と共に刑事訴訟手続きに関与することが司法に対する国民の理解の増進とその信頼の向上に資することにかんがみ、…」とあります。
上記のような事件を裁判員裁判で審理すれば、危害が及ぶリスクを抱えながら日々仕事をしている裁判官らに対する国民の信頼の向上につながると思うのですが…。
ただただ犯罪のない安全で平和な世の中になることを祈るばかりです。
(横井盛也)
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