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「刑弁情報43号」-冤罪事件の事例報告

「被害者の頭部をコンクリートブロックで殴りつけ重傷を負わせた傷害事件で、目撃者こそが真犯人であり虚偽の供述をしている可能性が否定できないとして、被告人の犯人性を否定し無罪を言い渡した事例」

 

大阪弁護士会刑事弁護委員会が編集発行し、会員に配布する内輪の情報誌「刑弁情報43号」(43~47頁)に私が担当して無罪判決を得た事件の事例報告が掲載されました。当ブログでも紹介したことのある事件です。

 

検察側の立証は完璧に思われたのですが、悉く反証することに成功した奇跡のような事件でした。

裁判所は、書証に頼らない審理を目指して多くの証人を採用し、異例の現場検証まで行ってくれました。

真実を見抜こうとする裁判所の姿勢が強く印象に残る事件でした。

判決では、「Aあるいはその場にいたAの友人であるBやCが真犯人であり、Aが自分の責任を免れるため、又はBやCをかばって、虚偽の供述をしている可能性も否定できない。」とまで踏み込んだ判示をしています。

なお、AやBは検察側の証人です。

 

無実の被告人が無罪判決を得ることは当然のことのはずですが、いったん起訴されてしまうと冤罪を晴らすことは至難の業であることを実感した事件でもありました。

 

国家賠償請求訴訟も大詰めを迎えています。

捜査検事のみならず公判検事の過失が認められるのか否か、検察官が公判前整理手続で開示した証拠を国賠訴訟で使用することが目的外使用にあたるのか否か(刑訴法281条の4)といった従来にない争点についても新たな判例を作ろうと奮闘しています。

 

やりがいのある仕事に巡り合えたことに感謝です。

(横井盛也)

 

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