- 2012-06-13 (水) 10:01
- 横井弁護士
「リーガル・ハイ」の古美門研介、「弁護士のくず」の九頭元人、「離婚弁護士」の間宮貴子。
テレビドラマ主人公の弁護士は皆、破天荒なまでに個性的でかつ超人的な問題解決能力を備えている。
本筋を鋭く見抜き、何手も先を読み、崖っぷちに追い込まれても、ある時は奇策を用いて真相を突き止め、またある時は正面突破によって隠された本音を引き出して一気に形勢を逆転して勝利を収める。
実在すれば、誠に手強い相手である。
3人が弁護団でも結成しようものなら、こちらはもうお手上げ。勝ち目はない。
ドラマを見るたびに背筋が寒くなる。そして、祈る。
<相手側代理人が古美門、九頭、間宮でありませんように…>。
でも、これではいかん。こんなことを書いていたのでは、顧客が逃げてしまうし、クライアントに妙な不安を与えてしまう。
<最強の弁護士であらねば。自分には古美門、九頭、間宮を超える義務がある>。
では、どうすべきか。兵法にある。<敵を知り、己を知れば百戦危うからず>。
ドラマを深く研究することにした。まずは、放映中の「リーガル・ハイ」。
古美門の勝因、相手方の敗因、古美門の訴訟テクニック、相手方に不足した法律上の主張、立証などを徹底的に分析し、古美門を破るための手法を身に付けよう!
意気込んではみたが、研究を進めれば進めるほど、古美門の実力もさることながら、このドラマの完璧さに圧倒される。
奇想天外なストーリー、小気味良いテンポ、練り尽くされたシナリオ、奇抜な演出、この上ない配役、洗練されたカメラワーク。すでに芸術の域に達している。
けど、敵は強ければ強いほど、自分を強くする。
気圧されそうになりながらも、人知れず「リーガル・ハイ」と格闘している。
(横井盛也)