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座右の書①

「ヒツジで終わる習慣、ライオンに変わる決断-自分にイノベーションを起こそう!」(千田琢哉著・実務教育出版)。

 

とにかく文字が少なく、あっという間に読めてしまう。その意味で1200円はちょっと高い気がするが、内容の濃さからすれば安い買い物だと思う。手元に置いて、何度も読み返してみる価値がある。折に触れ、「自分は今、ヒツジなのではないか。よしライオンになろう。」という気になれたらしめたものである。ひょっとして平々凡々の人生を劇的に変えられるのではないか、そのためのヒントが詰まった書なのではないか、と思わせる一冊である。

 

著者の人間社会を透徹する観察眼は確かなようだ。ヒツジとライオンの対比は非情な程に厳しい指摘に満ちている。

例えば、「リストラ候補まっしぐらのヒツジは、サボることばかり考えている。……一生懸命に仕事をするふりをしながら、実は単にネットサーフィンをしているだけなのだ。ビジネスの現場にパソコンが浸透してきたおかげで、ヒツジたちはとても助かっている。……ライオンは、より深い人間観察の補助としてインターネットを活用する。」。

 

訴状や準備書面を書いているふりをして事務所でブログを書いている。くだらないブログを書く暇があったら仕事をしろ!との声が聞こえてきそうだ。

あっ、自分は今、ヒツジなのではないか。よし、ライオンになろう。

 

人生訓の玉手箱。一読をお勧めします。

(横井盛也)