- 2015-05-21 (木) 17:10
- 横井弁護士
内閣官房法曹養成制度改革推進室が今日、「法曹人口の在り方について(検討結果取りまとめ案)」を法曹養成制度改革顧問会議に提出しました。
今後、政府方針として正式決定される見込みです。
全文はこちら↓↓↓
http://www.cas.go.jp/jp/seisaku/hoso_kaikaku/dai20/siryou5.pdf
社会の現状を正しく認識することも将来を的確に見通すこともできておらず、失望です。
いつまでかかって、何をしているのか。
腹立たしい限りです。
抜粋すると
「法曹人口は、全体として今後も増加させていくことが相当であると考えられる。」
「司法試験合格者数…の規模については、…一定の相当性を認めることができる。」
「法曹の輩出規模が現行の法曹養成制度を実施する以前の司法試験合格者数である1500人程度にまで縮小する事態も想定せざるを得ない。」
「何らの措置も講じなければ、司法試験合格者数が1500人程度の規模を下回ること になりかねない。
しかし、司法制度改革において掲げられた法の支配を全国あまねく実現するという理念の下で、今後も、法曹ないし法曹有資格者の活動領域の拡大や司法アクセスの容易化の進展が必要であることに変わりはない。
…1500人程度 は輩出されるよう、必要な取組を進め、更にはこれにとどまることなく、
…今後もより多くの質の高い法曹が輩出され、活躍する状況になることを目指すべきである。」
想像を絶する法曹志望者の減少、驚愕の域を超えた合格レベルの低下といった現状を正しく認識していないことは明らかです。
この国の役人、弁護士、学者は、先例をあてはめるのは得意であっても、将来を見通す力が決定的に欠けています。
仮に年1500人としても9年で弁護士の数は5万人に膨れ上がるのです。
近い将来だけでなく、10年後、20年後を見据えた議論が必要です。
「何らの措置も講じなければ、司法試験合格者数が1500人程度の規模を下回ること になりかねない。」――意味不明です。
なぜ、合格者1500人という数が出てきて、それを下回らないよう措置を講じなければならないのか。
これまで何年にもわたって議論され、必死になって措置を講じても法曹養成制度は機能不全に陥り、司法の崩壊という危機に陥っているのです。
何の措置も講じずに1500人程度の規模を下回るのであれば、それに越したことありません。
(横井盛也)
参考までに過去の当ブログです。
http://www.law-yokoi.com/blog/?p=1091
http://www.law-yokoi.com/blog/?p=867
http://www.law-yokoi.com/blog/?p=691
http://www.law-yokoi.com/blog/?p=659
http://www.law-yokoi.com/blog/?p=631
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