- 2015-05-18 (月) 18:30
- 横井弁護士
70万5585票と69万4844票――僅差で「大阪都構想」は否決されました。
ドラマ以上にドラマチックな住民投票でした。
二分する論戦に民主主義の成熟を実感し、感動すら覚えました。
大阪は、世界で最も民主主義の発達した都市であるといって過言ありません。
その市民であることを誇りに思います。
ここ数週間、街は言葉では言い表せない熱気で満ち溢れていました。
多くの市民がこれほど熱心に自分の住む町の将来を考え、議論し、行動したことがあったでしょうか。
街宣車が走り回ったり、候補者や政党関係者が演説を行ったりといったことは通常の選挙でも普通に見られる光景です。
でも今回は、街のあちこちで一般の市民がハンドマイクを片手に演説を行っていたのです。
駅前で演説を行っていた双方のグループが自然発生的に論戦を始め、それを大勢の通行人が見物し、大いに盛り上がるといった光景も目にしました。
いたるところでパレードが行われていましたし、ビラやパンフレットの種類も半端ではありませんでした。
市民の会話の冒頭は、「どっちに入れるか決めた?」だったのです。
投票率は66.83%ですが、大阪市の行く末を真剣に考えた率はほぼ100%だったのではないでしょうか。
開票後の橋下市長の会見も見事なものでした。
「負けは負け」、「政治家は僕の人生から終了です」、「要らなくなったら使い捨てにされる。これが一番健全な民主主義」、「悔いはない。思う存分やらせていただいた」、「(引退後は)弁護士をやりますから」。
これほどの政治家がこれまでいたでしょうか。立派です。
結局は、大阪市が存続することになったのですが、住民投票に至るまでのプロセスが無駄なものだったとは思いません。
徹頭徹尾、民主主義。
大阪の底力を見せつけた「大阪都構想」だったのだと思います。
(横井盛也)
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