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「ルーズヴェルト・ゲーム」に学ぶ法律事務所の経営

アメリカ大統領のフランクリン・ルーズベルトが「野球で一番おもしろいスコアは8対7」と語ったことに由来する奇跡の大逆転ゲーム。
ドラマは、大手ライバル企業の執拗な攻勢により倒産の危機に瀕する中堅精密機器会社・青島製作所がこのルーズヴェルト・ゲームに勝利するまでを描いています。

 

昨年4月から6月までTBS「日曜劇場」で放送された全9話をCATVのビデオ・オン・デマンドで一気に視聴しました。
企業小説の旗手池井戸潤の原作をほぼ忠実にドラマ化した作品です。
会社と野球部の存亡を賭け、社長が、取締役が、技術者が、選手が、監督が、それぞれの人生とプライドをかけて難敵に挑みます。

その白熱の攻防戦に目が釘付けです。
次々に訪れる絶体絶命の窮地を何とか凌ぎつつ、ついには大逆転するに至るまでの曲折は、実に痛快で見応えのあるものでした。
総合評価は★★★★☆です。

 

法律事務所の経営においても大いに参考になるドラマだと思います。

 
妥協を許さない品質とこれを徹底的に追求する社風、経営理念が、小手先の営業力や価格競争、謀略に走るライバル企業を駆逐するのです。

キーワードは「品質」。メーカーであろうが法律事務所であろうが同じだと思います。
安易な集客や金儲けに走り、品質を徹底追求しない法律事務所は淘汰されるべきです。

 

「相談無料」の広告が氾濫していますが、その狙いが顧客誘引であり、その分報酬に上乗せしようとしている魂胆は誰の目にも明らかです。
「経験豊富」を謳う弁護士ほど経験が乏しかったりするものです。

真偽の程を調べる方法はありません。
「○○分野のエキスパート」といった自称が眉唾ものであることは明白です。
「能あるブタは鼻を隠す」といいます。
虚偽誇大広告は、背に腹は替えられないといった状態に陥った弁護士のなりふり構わぬ悲痛な叫びと捉えるべきでしょう。

 

徹底した品質追求こそが最も効果的な営業戦略であると信じて妥協せず愚直に精進するほかないのだと思います。
(横井盛也)

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