- 2015-01-31 (土) 15:22
- 横井弁護士
高裁民事の判決は一読して理解できる代物ではありません。
法律家でない人には馴染みがないでしょうが、原判決を参照しながら解読するほかないのです。
例えば、先日受けた高裁判決の判決文は全部で9頁あるのですが、そのうち7頁は、「原判決の補正」で占められています。
「第1 控訴の趣意」、「第2 事案の概要」に続いて、「第3 当裁判所の判断」、「1 当裁判所も、控訴人の請求は棄却すべきものと判断する。その理由は、次の2のとおり補正するほかは、原判決に記載のとおりであるから、これを引用する。」と記した後、「2 原判決の補正」が7頁にわたって延々と続いているのです。すなわち、
(1)原判決●頁○行目の「△△」の次に「□□」を加える。
(2) 原判決★頁☆行目から◆頁◇行目までを以下のとおり改める。「ИД∥ш…」。
(3)原判決*頁※行目の「(―_―)」を「(*^_^*)」と改める。
(4)原判決§頁Θ行目の「(・。・;)」を削る。
(5)(6)…といった具合です。
原判決は全部で27頁。どこがどう補正されたのか参照しながら読み解くのは至難の業です。
この件では、控訴審で事実関係についての主張が追加されたために大幅な補正が必要になるのもやむを得ない面もあるのですが、誤字脱字等も多数指摘されています。
一審被告の当方は、地裁も高裁も完全勝訴ですから、いちいち解読する気など微塵も生じません。
実のところ完全にスルーです。
高裁はいったい誰のために判決を書いているのでしょうか。
高裁判決の書き方を改めるべきです。
原判決を補正するなら原判決の電子データを入手して、添削モードで補正して2色刷りにした方がずっと読みやすくなるはずです。
裁判所は思考停止に陥っているのではないでしょうか。
常に改善を心掛けるべき、と感じた次第です。
(横井盛也)
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